「あれ、なんか話が噛み合わない…」
「相手の言っていることが、いまいち理解できない…」
私たちは、コミュニケーションにおいて、このような「ズレ」を感じることがあります。
日常会話では、私たちは、頭の中にある思考や感情、感覚のすべてを、言葉で表現しているわけではありません。
そのため、言葉の裏に隠された、本来の意味や意図を理解することが重要になります。
NLPの「メタモデル」は、言葉の「省略」「一般化」「歪曲」といった「ズレ」を修正することで、コミュニケーションの質を高めるための強力なツールです。
1. 表面的な言葉の背後にある深層構造: 言葉の「 iceberg 」
NLPでは、私たちが普段使っている「言葉」を「氷山の一角」に例えます。
水面上に出ている部分はほんの一部であり、その下に隠れている、巨大な「深層構造」にこそ、コミュニケーションの本質が隠されているのです。
- 表面構造(言葉): 私たちが実際に口に出す言葉
- 深層構造(思考・感情・感覚): 言葉の背後に隠された、本来の意味や意図
メタモデルは、この「深層構造」を探るための質問テクニックです。
2. メタモデルを使った質問力向上: 言葉の「ズレ」を修正する12のパターン
メタモデルは、大きく分けて以下の3つのカテゴリー、12のパターンで構成されています。
2-1. 省略: 情報が欠落している
- 欠落: 「彼は怒っている」→ 「誰が」「誰に対して」「何に対して」怒っているのか?
- 比較: 「この仕事は大変だ」→ 「何と比べて」大変なのか?
- 動詞の明示化: 「もっと努力しなきゃ」→ 「具体的に、何をどのように」努力するのか?
2-2. 一般化: 一つの出来事を、全てに当てはめている
- 普遍 quantifier: 「いつも失敗ばかりだ」→ 「本当に、いつも、全てが」失敗なのか?
- モダリティ: 「そんなことはできない」→ 「なぜできないのか?」「何があなたを止めているのか?」
- 名詞の明示化: 「私は自信がない」→ 「何をすることに対して」自信がないのか?
2-3. 歪曲: 現実を歪めて解釈している
- mind reading: 「彼は私のことを嫌っているに違いない」→ 「なぜ、そう思うのか?」「根拠は何か?」
- cause-effect: 「彼のせいで、私は傷ついた」→ 「本当に、彼の行動が、直接の原因で、あなたは傷ついたのか?」
- complex equivalence: 「彼女は笑わない。きっと、私のことが嫌いなんだ」→ 「笑わないことと、嫌いなのは、本当にイコールなのか?」
- presuppositions: 「また、失敗したらどうしよう…」→ 「そもそも、失敗するという前提は、正しいのか?」
- lost performative: 「努力は報われるべきだ」→ 「誰が、そう言っているのか?」「その根拠は?」
3. 実践ワーク: メタモデルでコミュニケーションを深める
3-1. 相手の真意を引き出すコミュニケーション
- 相手の発言の裏側にある、真意や感情、ニーズを探ってみましょう。
- メタモデルの質問を使うことで、より深い部分での理解と共感が生まれます。
3-2. 問題解決のための情報収集
- 問題の本質を見極め、効果的な解決策を見出すために、メタモデルを活用しましょう。
- 情報の「欠落」や「歪み」を修正することで、より明確な問題把握が可能になります。
3-3. 表現の曖昧さを明確にする
- 誤解を防ぎ、スムーズなコミュニケーションを実現するために、自分自身の発言もメタモデルでチェックしてみましょう。
- 言葉の「曖昧さ」を減らすことで、より相手に意図が伝わるようになります。
まとめ: メタモデルは、コミュニケーションの質を高める万能薬
メタモデルは、コミュニケーションにおけるあらゆる「ズレ」を修正し、相互理解を深めるための強力なツールです。
ぜひ、今回の内容を参考に、メタモデルを意識したコミュニケーションを心がけてみてください。
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