Ikigai発見ワークショップ「生きがいの地図」ファシリテーター用マニュアル(オンラインマンツーマン対応)

ワークショップ進行(60分)

ワークショップの全体の流れ

  1. オープニング
  2. 導入:IKIGAIの効果を共有
  3. ワーク前半:4要素の引き出し
  4. ワーク後半:IKIGAIの創発
  5. クロージング

※下記のリンク(Ikigai発見ワークショップ入力フォーム)をクライアントに提供しましょう。

https://forms.gle/A2cXEh6rt6NEER5m8

1. オープニング(5分、0:00-0:05)

目的

心理的安全な場を構築、IKIGAIのイメージを共有、抵抗感を下げ、参加意欲を高める。

準備

Googleフォームリンク・またはフォームにアクセスできるQRコード等

Googleフォームリンク:https://forms.gle/UrX46XC4YADsaXQS7

フォームにアクセスできるQRコード

自己紹介

ファシリテーター:「こんにちは、〇〇さん。本日はご参加いただきありがとうございます。ファシリテーターの△△と申します。このワークショップでは、〇〇さんならではの『生きがい(IKIGAI)』を一緒に見つけていくお手伝いをさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」

説明

ファシリテーター:このワークショップは、ご自身の『好きなこと』『得意なこと』『世の中が求めていること』『経済的価値があること』の4つの視点から、ご自身のIKIGAIを探る時間です。

言葉にするのが難しい場合も、対話の中で少しずつ整理していけるよう進めてまいります。無理のない範囲で、気楽にご参加いただければと思います。

また、記録用のフォームをご用意しています。チャットでURLをお送りしますので、必要に応じてご活用ください。

※LINE等のチャットでフォームURLを送る。また対面の場合などは、フォームにアクセスするQRコードのページをスマホに表示して、参加者に読み取ってもらう。

ルールとフォーム案内

ファシリテーター:このワークでは、発言に対する評価や正解・不正解は一切ありません。話したくない場合は“パス”していただいて大丈夫です。また、チャットやフォーム入力もご利用いただけます。ご自身のスタイルでご参加ください。フォームの内容は匿名で安全に管理されますのでご安心ください。必要があれば、私の方でメモのサポートも可能です。

※ファシリテーターは基本的に参加者がフォームに記載する内容を見ることはしません。ですので、参加者との対話の中でメモを取っていくことを心がけましょう。

アイスブレイク(必要な場合)

  • 質問:「最初に、最近少し嬉しかったことや、心が動いた出来事はありますか?(例:趣味、日常の瞬間)」
  • 例:「たとえば、私は今朝の空がとても綺麗で、それだけで気持ちが明るくなりました。」

2. 導入:IKIGAIの効果を共有(5分、0:05-0:10)

目的

IKIGAIの概念と効果を共有、参加意欲を高める。

準備

IKIGAIの4要素(好きなこと、得意なこと、世の中が求めること、お金になること)の画像等

説明

ファシリテーター:ここで、今回のワークの核となる『IKIGAI(生きがい)』の考え方について、少しご説明します。

この4つの領域が重なるIKIGAIは、単に“やりたいこと”を探すのではなく、日常生活や社会の中で、持続的に喜びと充実感を得られるものを見つけるための枠組みです。

研究によれば、自分の人生に目的意識があると、幸福度が平均して20%高くなり、ストレスは10〜15%軽減されるという結果も出ています(Oxford University, 2019)。

本日はこの4つの観点から、ご自身らしいIKIGAIを一緒に探ってまいりましょう。

ポイント

  • スライドで視覚的にIKIGAIを説明、抵抗感ゼロ。
  • 参加者のペースに合わせる。
  • データ:Googleフォームの「参加理由」「4要素」セクションで初期イメージを記録。
  • 注意:参加者が緊張している場合、軽い雑談(例:「最近、どんなこと楽しんでる?」)でほぐす。

3. ワーク前半:4要素の引き出し(20分、0:10-0:30)

目的

4要素を多角的な質問で引き出し、ブレインストーミングで自己理解を深める。「IKIGAI」の文脈の種を準備。

準備

ファシリテーターが使用するメモ帳やノート等

説明

各要素に対し、多角的で深掘りできる質問を投げかけ、参加者が4つの要素の引き出していきます。

質問は過去・現在・未来、感情・行動・影響など、多様な角度から対話形式で柔軟に進める。

ファシリテーター:それでは、ここからワークを始めていきましょう。

このワークには、決まった「正解」や「正しい順番」はありません。
気になったところから、あなたのペースで進めていただいて構いません。

心が少しでも動いたところ、気になったキーワードや問い――どこから手をつけても大丈夫です。

ご自身の“今の状態”を尊重しながら、ゆったり取り組んで行きたいと思います。

まずは4つの要素のどこから進めていきますか?

🔷【1. 好きなこと】

無理に“好きなこと”を思い出そうとしなくても構いません。
ふと心が動いた瞬間や、穏やかな時間の中にヒントがあることもあります。

質問例:

  • 時間を忘れて楽しめる趣味などはありますか?
  • どんなときに、心が静かに満たされる感覚を覚えたことがありますか?
  • 子どもの頃や学生時代、何かに没頭していた記憶はありますか?
  • 制限がなかったら、どのような時間の使い方をしてみたいと思いますか?
  • 最近、気づかないうちに「これ、いいな」と思った場面はありますか?
  • 誰かと一緒に過ごす中で、自然と心が緩んだ経験はありますか?

🔷【2. 得意なこと】

“得意”という言葉にこだわらず、「自然とできていたこと」や「周囲が頼ってくれた場面」を振り返ってみましょう。

  • 人から褒められたこと、任されたことの中に、何か共通点はありましたか?
  • 特に努力をしなくても、他の人よりもスムーズにできたことはありますか?
  • 誰かを助けた経験の中で、自分が発揮した力はどのようなものでしたか?
  • 周囲が「それなら、あなたに頼みたい」と言ってくれたことはありますか?
  • 少しだけ自信を持てた瞬間を思い出すとしたら、それはどんな場面でしたか?

🔷【3. 世の中から求められること】

あなたがこれまでの人生で感じてきた「足りなさ」や「こうだったらいいのに」という想いは、誰かの役に立つヒントになります。

  • 過去の自分が「誰かに助けてほしかった」と思ったことは何ですか?
  • そのときの自分に、今ならどんな関わりを届けたいと思いますか?
  • 身近な人たちの中で「もっとこうなれば」と感じたことはありますか?
  • 社会や地域に対して、「こういうことが必要」と感じていることはありますか?
  • 日常の中で、自然と誰かの助けになっていたような行動はありますか?
  • 周囲に、こんな変化が起きたらいいなと思うことがあれば教えてください。

🔷【4. お金になること】

お金は、「あなたの持つ力が、他者の価値になる」という証でもあります。
少し視点を変えて、自分の力が“どのように役立ち得るか”を探ってみましょう。

  • 既に市場が形成されている〇〇屋さんをやってみたい!などはありますか?
  • ご自身の好きなことや得意なことが、人の役に立った経験はありますか?
  • 今の自分にあるスキルの中で、「人から求められそう」と思うものは何ですか?
  • 周囲の人が「これならお金を払ってでもお願いしたい」と感じそうなことは?
  • 将来的に、「こんな形で生活を支えられたら」と思う活動はありますか?
  • 自分の強みや経験を、どんなふうに価値へと変換できそうですか?
  • 「これなら自信を持って提供できる」と思えるものがあれば教えてください。

ポイント

  • 対話重視、参加者のペースに合わせる。
  • 多角的質問でアイデアを広げ、自己理解を促進。
  • データ:参加者の4要素をメモする
  • 注意:参加者が詰まったら、例を提示(「例えば、料理が好きなら…」)し、プレッシャーを軽減。

4. ワーク後半:IKIGAIの創発(15分,0:30-0:45)

目的

4つの要素(好き・得意・求められる・収益性)を統合し、「IKIGAI」を言語化(創発)します。複数生成可

構成ステップ

  1. IKIGAIの描写(価値の明確化)
  2. 名前・タイトル・ラベルをつける(任意)
  3. 描写したIKIGAIに対する「コミットメント度」スコア(1~10)をつける

IKIGAIの描写(価値の明確化)の説明

ファシリテーター:先ほど整理した4つの要素を見ながら、それらをつなげるようにして、 あなたが “今後、大切にしていきたいと思えるような活動” を描いてみてください。

書き方に正解はありません。自分がやりたいこと・できそうなこと・意味を感じること―― それらをつないで、ひとつの文章にしてみましょう。

言葉にしづらいときは、話しながら一緒に整えていっても構いません。

名前・タイトル・ラベルをつける(任意)説明

ファシリテーター:タイトルや名前をつけるのは任意です。“呼びやすい言葉”が浮かべば、添えてください。

IKIGAIに対する「コミットメント度」スコア(1~10)をつける説明

ファシリテーター:最後に、その構想に対して “どれくらい関わってみたいと思うか” を、 1〜10のスコアで表してみましょう。これは決意ではなく、今の自分の気持ちの確認です。

IKIGAIの事例

  1. 参加者A
    • 内容:私は自然の中を旅し、写真でその静けさや美しさを表現する。地域の人々や訪れる人に、自然の大切さを伝え、環境を守る意識を育みたい。写真を通じて、自然と人をつなぎ、調和の瞬間を共有する。経済的には、写真の仕事で収入を得ながら、自然と共にある時間を楽しむ。
    • タイトル:エコフォトグラフィ
    • コミットメント:7
  2. 参加者B
    • 内容:私は料理を作り、家族や友人が集まる食卓で笑顔が生まれる瞬間が大好きだ。健康的な食材を使い、心と体を温める料理で、地域の人々が集まり、話が弾む場を創りたい。料理教室や小さなカフェを通じて、人がつながり、健康で幸せな時間を共有する。経済的には、料理教室やレシピ提供で収入を得つつ、食の喜びを広める。
    • タイトル:コミュニティクッキング
    • コミットメント:5

ポイント

  • 深い対話・傾聴を通して、参加者のペースで創発をサポート。
  • 最初からコミットメントが10の参加者はほぼいない。
  • ワークを繰り返すことでIKIGAIの描写が彩り、コミットメント10に近づく。
  • 注意:参加者が詰まったら、例を提示(「例えば、料理が好きなら…」)し、ゆっくり対話。

5. クロージング(10分,0:45-1:00)

目的

振り返りで気づきを深め、行動意欲を強化。感想を収集し、次回参加意欲を確認。

振り返り

ファシリテーター:4つの要素から『IKIGAI』の言語化(創発)に取り組んでみて、どんな感情が湧いてきましたか? 印象に残ったことや、新たな気づきがあれば、ぜひ教えてください。

問いかけ例)

  • 「この『IKIGAI』を、日常の中で感じるには、どんな小さな一歩が踏み出せそうでしょうか?」
  • 「今日の対話の中で、心に残ったキーワードや気づきはありましたか?」

▶話してくれた場合:「その気づき、本当に大切ですね。ご自身の中から出てきた言葉だからこそ、深い意味があると思います。」
▶話さない場合:「もし、今言葉にならないことがあれば、フォームに自由に書いていただければと思います。チャットでも構いません。」

参加者のコミットメント度が低かった場合などの言葉

ファシリテーター:今日のプロセスの中で、「まだしっくりこない」「言葉にしきれなかった」「これが本当に自分のIKIGAIなのかまだ迷っている」——そんな感覚を抱いている方も、きっといらっしゃると思います。

それでも大丈夫です。IKIGAIは、一度で見つけ切れるものではなく、日々の気づきや経験の中で、少しずつ輪郭が見えてくるものです。

何度でも立ち戻っていただいて構いません。「もっと深めたい」「より自分らしい答えに近づきたい」と思われたときは、いつでもまたご参加ください。私たちはいつでも歓迎しています。

締めの言葉

ファシリテーター:本日はご一緒に『IKIGAI』を紡ぐ時間を過ごせたこと、心より感謝いたします。

このあと、振り返りフォームのリンクをメールでお送りします。

ご記入いただくと、今回ご自身が書き出された内容を自動返信でお届けします。

ぜひ保存して、折に触れて振り返ってみてください。

本日は本当にありがとうございました。

ポイント

  • フォームの送信やフィードバックを促し、参加者の達成感を強化。
  • 注意:参加者が疲れている場合、時間を短縮。

Open Heartセッションへの誘導方法

ワークショップのクロージングで、コース化した「Open Heart セッション」の案内を行いましょう。

以下のようなトークスクリプトを参考に、自然な流れで誘導します。

「本日のワークショップで得られた気づきをさらに深めたい方、または個別に相談したいことがある方は、Open Heart セッションをご利用いただけます。セッションでは、あなたの人生脚本を紐解きながら、より深く自己理解を深め、「生きがい」の実現をサポートいたします。ご希望の方は、以下のURLからお申し込みください。」

このマニュアルを参考に、参加者にとって有益なワークショップとなるよう、尽力してください。

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