この単元では、占い・スピリチュアル市場における自立支援の主要なパターンを、代表的なペルソナストーリーを通して理解を深めます。iDeAプログラム受講者として、多様なクライアントのニーズを理解し、それぞれに合った効果的な支援を提供できるようになることが重要です。次の単元「独自の価値提供ロードマップの作成」では、これらのパターンを参考に、LSHラーニングを活用した独自の価値提供を具体的に考えていきます。
I. 占い・スピリチュアル市場のターゲット分析
提供するサービスを効果的に届けるためには、市場全体を理解し、ターゲットとなる層の特徴を捉える必要があります。
- 市場セグメンテーション: 年齢、性別、職業、収入、家族構成、ニーズ(恋愛、仕事、人間関係、健康など)、利用頻度、利用サービス、利用媒体、心理的特性(不安レベル、自己肯定感、依存傾向など)といった軸で市場を細分化します。
- 各セグメントのニーズ分析: 各セグメントが占い・スピリチュアルサービスに何を求めているのかを分析します。若い世代は恋愛相談や自己肯定感の向上、子育て世代は子育ての悩みや夫婦関係の改善、高年齢層は健康問題や老後への不安解消などを求める傾向があります。
- 潜在的ニーズの掘り起こし: 顕在化しているニーズだけでなく、潜在的なニーズも探ります。「漠然とした不安」を抱える層には「心の安全基地を作る」といったサービスが求められるかもしれません。
II. なぜ人は占いやスピリチュアルに依存するのか?
クライアントの深層心理を理解するために、依存のメカニズムを理解することは重要です。依存には、生物学的要因(遺伝、脳内報酬系)、心理的要因(自己肯定感の低さ、トラウマ、ストレス対処メカニズムの未熟さ)、社会的要因(家庭環境、社会的な孤立、文化的な影響)などが複雑に絡み合っています。特に、自己肯定感の低さやトラウマは、占い・スピリチュアルへの依存に繋がりやすい心理的背景となります。
III. ペルソナ:クライアントを「一個人」として理解する
ペルソナとは、あなたの理想的なクライアント像を具体化した架空の人物像です。属性情報だけでなく、心理的特性、行動パターン、価値観、ライフスタイル、抱える課題などを詳細に設定することで、より深くクライアントを理解し、共感に基づいたサービス提供を行うことができます。
IV. 自立支援の主要パターンとペルソナストーリー
ここでは、占い・スピリチュアル市場における自立支援の主要なパターンを、代表的なペルソナストーリーを通して紹介します。これらのストーリーは、クライアントが精神的・経済的に自立していく過程を示す典型的な例です。
パターン1:恋愛依存からの脱却
- ペルソナ名: サクラ(32歳)
- 概要: 生きる意味を見出せず、恋人への依存が強かったサクラが、自立支援メンタリングを通して自己肯定感を取り戻し、自立していくストーリー。
ペルソナ名
サクラ(32歳)
ストーリーの概要
生きる意味を見出せず苦しむサクラが、恋人との別れをきっかけにユウカの提供する「太極鑑定」に出会い、過去の経験を肯定し、他者の心に寄り添うことで自分自身の幸せを見つける物語。
登場人物
サクラ - 32歳女性、生きる意味を探し求めている、不安症、孤独
ユウカ - 鑑定師、「太極鑑定」の提供者、サクラのメンター
動画制作者 - イメージワーク動画の制作者、サクラに一時的な安堵感を与える
カイト - サクラの元恋人、別れを告げた人物
ストーリーの展開
シーン1: 問題やニーズの発生
サクラは32歳。過去の恋愛経験から、自分に自信がなく、恋愛がうまくいかないと何もかもが虚しく感じて、「生きている意味がない」とさえ思ってしまう。特に、現在の恋人であるカイトとの関係に一喜一憂し、彼の言動一つで気分が大きく左右される状態。自尊心や自己肯定感が低く、常にカイトに依存している。少しでも不安になると、すぐに占いやカウンセリングに頼るほど、精神的に不安定な状態だ。仕事は転々としており、現在は無職。才能がないと感じ、自分に価値を見出せずにいる。友人関係も疎遠で、カイトだけが心の支えだった。
シーン2: 解決策の検討
インターネットで解決策を探し求める中で、YouTubeでイメージワーク・誘導瞑想の動画を見つける。いくつかの動画を視聴し、一時的に不安が軽減されるのを感じる。動画のお陰でカイトとの関係も良好に感じていた。
シーン3: 製品/サービスの選択と利用
イメージワーク動画で一時的に心の安らぎを得ていたサクラだったが、交際3ヶ月になる彼氏、カイトから突然別れを告げられる。カイトの態度は冷たく、理由も曖昧なまま。突然の出来事にサクラは大きなショックを受け、深い悲しみと絶望に陥る。今まで頼っていたイメージワーク動画も、今回は全く心に響かない。虚無感に苛まれ、何も手につかない状態の中、普段は気に留めない動画の概要欄に目が留まる。「心が世界を創る」というキャッチコピーと共に「太極鑑定」の広告が表示されていた。まるで運命に導かれるように、サクラはユウカに鑑定を依頼する。
シーン4: 製品/サービスの体験
ユウカとのセッションが始まる。ユウカは優しくサクラの言葉に耳を傾け、彼女の心の奥底にある不安や葛藤を丁寧に紐解いていく。カイトへの依存、自己肯定感の低さ、そして過去の恋愛経験からくるトラウマ…ユウカはそれらの問題の根本原因を探りながら、サクラが自分自身と向き合うことを促す。セッションを通して、サクラは次第に心を開き、自分の弱さと向き合い始める。「ワンネス」の概念に触れ、本当の繋がりとは何かを考え始める。
シーン5: その後の関係性
鑑定後もサクラはユウカと定期的に連絡を取り合い、アドバイスを受けながら、自分自身と向き合い続ける。ユウカとの対話を通して、「ワンネス」の概念を深め、他者との真の繋がりを理解していく。カイトへの依存・執着心は薄れ、自分自身の価値を見出し、自信を取り戻していく。ユウカのサポートを受けながら、他者の心の拠り所となる活動を始める準備を進める中で、サクラは新たな人間関係を築き、人生全体において前向きな変化を感じ始める。
ストーリーのクライマックス
ユウカとの対話を通して、サクラは過去の辛い出来事や恋愛経験も含め、全ての出来事が「いまここ」から本当の幸せを感じていくための伏線だったことに気づく。そして、「人と人が心を通わせる“ワンネス”の感覚」を心から理解する。この瞬間、サクラの意識は大きく転換し、「ない」という視点から「ある」という視点へと世界の見え方が180度変わる。日常の些細な出来事、これまで当たり前と思っていたこと全てに感謝の気持ちが溢れ出す。
さらにサクラは、自他共に、そして世界中にワンネスの瞬間が広がり創造されていくことに無条件の愛を持って携われるギバーとして振る舞うこと、規模は小さくても、みんながワンネスの瞬間を創造し、フラクタルのように拡散されていく、そんな幸せな連鎖、それ自体を、ひとつでも多く創造すること、それが自分自身の本当の幸せであることに気づく。そして、「これを実現するまで死ねない」と、他者と繋がり、貢献していくという生きる目的を明確にし、ハートコミットしたその時、サクラは、地球、宇宙全体、過去も踏まえた自分自身(インナーチャイルド)すべてが一つに、一体化された、そんな究極のワンネスの瞬間を得た。
ペルソナの心情
最初は絶望と孤独に苛まれていたサクラだが、イメージワーク動画で一時的な安堵感を得るも、カイトとの別れで再び絶望の淵に突き落とされる。「太極鑑定」とユウカとの出会いを通して、過去の経験を肯定的に捉え直し、最終的には、「人々に貢献する」という新たな人生の目的を再認識し、希望に満ちた未来を描けるようになる。
パターン2:職場環境の問題からの脱却
- ペルソナ名: ミナコ(47歳)
- 概要: 職場での理不尽な扱いに苦しみ、退職を余儀なくされたミナコが、自立支援メンタリングを通して新たな人生の目的を見つけ、経済的・精神的に自立していく物語。
ペルソナ名
ミナコ(47歳)
ストーリーの概要
47歳、医師事務として働くミナコが、職場での理不尽な出来事をきっかけに退職し、人生の岐路に立たされる。再就職の難しさ、経済的な不安、将来への不安など、様々な困難に直面する中で、「太極鑑定」とユウカとの出会いを通して自分自身を見つめ直し、他者との繋がりの中で新たな人生の目的を見つける物語。
登場人物
ミナコ(47歳) - 主人公。医師事務。気を使いすぎる性格。離婚歴あり。適応障害になる。
ユウカ - 鑑定師、「太極鑑定」の提供者、ミナコのメンター。
院長 - ミナコが以前勤めていたクリニックの院長。
動画制作者 - イメージワーク動画の制作者。ミナコが不安を一時的に解消するための手段。
ストーリーの展開
シーン1: 問題やニーズの発生
ミナコは47歳。個人クリニックで医師事務として働いていた。もともと人の顔色を伺い、気を使いすぎて疲弊する性格。断れない性格でもあり、自分のミスでないのに同僚からミスを指摘されても言い返せず、ストレスを溜める日々を送っていた。2年前に離婚し、子供は既に上京。家賃、ペット、車のローンなど、経済的な不安を抱えていた。以前は占いやカウンセリングに時間とお金をかけて依存していたが、更なる不安や経済的な問題から、最近はアルコールに依存気味になっている。
シーン2: 解決策の検討
日々のストレスと不安を軽減しようと、以前のように占いやカウンセリングに頼りたい気持ちもあったが、経済的な余裕がなく、断念せざる負えない状況だった。そんな中、YouTubeでイメージワーク・誘導瞑想の動画を見つけ、視聴することで一時的に気持ちが落ち着くようになり、心の支えとしていた。
シーン3: 製品/サービスの選択と利用
ある日、同僚のミスを押し付けられ、院長に相談するも「あなたが悪い」と理不尽な返答を受ける。我慢の限界に達したミナコはクリニックを退職。しかし、この年齢でこのご時世、なかなか正社員の仕事は見つからない。再就職活動は難航し、世の中・社会の厳しさに直面する。貯金は底をつき始め、家賃やローンの支払いに追われる日々。受かると思っていた面接にも落ち、自信を失い、ふとした時にパニックになるほどの強い不安に襲われる。いつものように動画をみても、一向に不安は解消されず、焦燥感は募るばかり。そんな中、動画の概要欄で「太極鑑定」の広告を見つける。「心が世界を創る」「ネガティブを手放す」「最後の占い」といった言葉に藁にもすがる思いで、ユウカに鑑定を依頼する。
シーン4: 製品/サービスの体験
ユウカとのセッションで、ミナコは過去の辛い経験、特に職場での理不尽な出来事や、離婚、将来への不安などを語り、感情を揺さぶられる。しかし、ユウカの温かい言葉と深い洞察力に導かれ、徐々に心が開かれていく。ユウカから「ワンネス」の概念を聞き、他者と心で繋がり合うことの大切さに気づく。
シーン5: その後の関係性
鑑定後もミナコはユウカと定期的に連絡を取り合い、アドバイスを受けながら、自分自身と向き合い続ける。ユウカとの対話を通して、「ワンネス」の概念を深め、他者との真の繋がりを理解していく。過去の出来事に囚われる気持ちが薄れ、自分自身の価値を見出し、自信を取り戻していく。ユウカのサポートを受けながら、他者の心の拠り所となる活動を始める準備を進める中で、ミナコは新たな人間関係を築き、人生全体において前向きな変化を感じ始める。
ストーリーのクライマックス
ユウカとの対話を通して、ミナコはこれまでの経験が全て未来の自分へと繋がっていて全ての出来事が「いまここ」から本当の幸せを感じていくための伏線だったことに気づく。そして、「人と人が心を通わせる“ワンネス”の感覚」を心から理解する。この瞬間、ミナコの意識は大きく転換し、「ない」という視点から「ある」という視点へと世界の見え方が180度変わる。日常の些細な出来事、これまで当たり前と思っていたこと全てに感謝の気持ちが溢れ出す。
ミナコは、自他共に、そして世界中にワンネスの瞬間が広がり創造されていくことに無条件の愛を持って携われるギバーとして、人々に貢献していくこと、規模は小さくても周りの人々がワンネスの瞬間を創造し、フラクタルのように拡散されていく、そんな幸せな連鎖を、ひとつでも多く創造すること、それが自分自身の本当の幸せであることに気づく。そして、自分自身の経験を活かし、人々に貢献していくという新たな人生の目的を明確にし、ハートコミットしたその時、ミナコは地球、宇宙全体、過去も踏まえた自分自身(インナーチャイルド)すべてが一つに、一体化された究極のワンネスの瞬間を得る。
ペルソナの心情
最初は将来への不安に悩んでいたミナコ。職場での理不尽な出来事をきっかけに退職し、人生のどん底を経験する。しかし、「太極鑑定」とユウカとの出会いを通して、過去の経験を肯定的に捉え直し、最終的には、「人々に貢献する」という新たな人生の目的を再認識し、希望に満ちた未来を描けるようになる。
もし、自分でペルソナストーリーを作りたいなら
ここでは、効果的なペルソナストーリーを自分で作成する方法をステップバイステップで解説します。
提供されたテンプレートと、物語の基本構造(起承転結)を理解することで、より深みのあるペルソナ像を描き、あなたのサービスの価値を明確に伝えることができます。
1. ペルソナ設定: まず、ペルソナの基本情報(名前、年齢、職業、家族構成、性格、ライフスタイル、現状への不満/不安など)を設定します。
2. ストーリーの概要: ペルソナが抱える問題、あなたのサービスとの出会い、そして変化を遂げるまでの概要を記述します。
3. 登場人物: ペルソナ、あなた、その他ペルソナの人生に関わる重要人物を設定します。
4. ストーリーの展開(起承転結): 問題の発生、解決策の検討、あなたのサービスとの出会い、サービス体験、その後の変化と成長、といった流れでストーリーを展開します。各シーンでペルソナの心情や行動を具体的に描写し、感情の変化を丁寧に表現することで、より共感性の高いストーリーを作成できます。
5. ストーリーのクライマックス: ペルソナがどのように問題を克服し、どのような気づきを得るのか、ストーリーのクライマックスを明確に描写します。
6. ペルソナの心情: ストーリー全体を通して、ペルソナの心情がどのように変化していくのかを記述します。
テンプレート:
## ペルソナ名
[ペルソナの名前]
## ストーリーの概要
[ペルソナのストーリーの概略を1-2文で記述]
## 登場人物
- [ペルソナ名] - [ペルソナの属性/役割]
- [関連する人物1] - [その人物の属性/役割]
- [関連する人物2] - [その人物の属性/役割]
## ストーリーの展開
### シーン1: 問題やニーズの発生
- [ペルソナ名]が直面する問題や目標が発生する場面
- どのような背景や状況で問題が生じたか
- ペルソナの気持ちや行動の描写
### シーン2: 解決策の検討
- ペルソナが問題解決に向けて情報収集や検討を行う場面
- どのようなリサーチや選択肢を検討しているか
- ペルソナの思考プロセスや感情の変化
### シーン3: 製品/サービスの選択と利用
- ペルソナが解決策として製品/サービスを選択し、利用する場面
- 製品/サービスの特徴や使用シーンの描写
- ペルソナの反応や感想
### シーン4: 製品/サービスの体験
- ペルソナが製品/サービスを実際に体験する場面
- 使い勝手や機能面での評価
- ペルソナの満足度や今後の意向
### シーン5: その後の関係性
- ペルソナと製品/サービスの関係がどのように続いていくか
- 追加購買や口コミ、継続利用といった展開
- ペルソナの変化する気持ちや行動
## ストーリーのクライマックス
[ペルソナの問題解決や目標達成に至る、ストーリーのクライマックスを描写]
## ペルソナの心情
[ストーリー全体を通じたペルソナの心情の変化や気持ちの総括]
確認と修正
作成したペルソナストーリーを読み返し、以下の点をチェックしましょう。
- ストーリー全体の流れは自然か?
- ペルソナの行動や感情は共感できるか?
- あなたのサービスの価値が明確に伝わっているか?
- 具体的なエピソードや描写が十分に含まれているか?
必要に応じて修正を加え、より効果的なペルソナストーリーを作成しましょう。
V. まとめ
この単元では、占い・スピリチュアル市場における自立支援の主要なパターンを、代表的なペルソナストーリーを通して学びました。また、独自のペルソナストーリーを作成するための手順についても解説しました。
これらのパターンや手順は、あくまでも例であり、実際のクライアントはさらに多様で複雑な問題を抱えている可能性があります。しかし、これらのパターンを理解し、独自のペルソナストーリーを作成することで、クライアントの状況をより的確に把握し、効果的な支援を提供するための土台を築くことができるでしょう。
次の単元では、これらのパターンを参考に、LSHラーニングを活用した独自の価値提供ロードマップを作成していきます。
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