ACT(Acceptance and Commitment Therapy: 受容とコミットメント療法)の枠組みを用いて、愛着スタイルを理解し、価値観に基づいた行動変容を促すことで、クライアントの心の安定を築くための実践的なカウンセリング技術を習得します。
4.1 ACTカウンセリングの流れ
4.1.1 初回面接の進め方
- 自己紹介: 自分の専門性とカウンセリングのスタイルについて説明し、クライアントとの信頼関係を築く。
- クライアントの状況把握: クライアントの抱える問題、過去の経験、現在の状況、目標などを詳しく聞き取る。
- ACTの説明: ACTの概念、目的、プロセスをわかりやすく説明する。
- 治療契約: カウンセリングの頻度、期間、料金などについて明確に話し合い、双方合意の上で契約を結ぶ。
4.1.2 評価と診断の手法
- 愛着スタイルの評価: 質問票や面接を通して、クライアントの愛着スタイルを評価する。
- 心理検査: 必要に応じて、心理検査を実施し、クライアントの心の状態を客観的に評価する。
- 精神疾患のスクリーニング: クライアントが精神疾患を抱えている可能性がある場合は、適切な精神科医への紹介を検討する。
4.2 クライアントとの関係構築
4.2.1 信頼関係の築き方
- 共感: クライアントの感情や状況を理解し、共感の言葉を伝える。
- 受容: クライアントをありのままに受け入れ、価値観や生き方を尊重する。
- 信頼: 常に誠実に行動し、クライアントとの約束を守る。
- 境界線: プロとしての距離を保ちながら、適切な関係性を築く。
4.2.2 ラポール形成の重要性
ラポールとは、クライアントとセラピストの間に生まれる良好な関係のことです。ラポールが形成されると、クライアントはセラピストを信頼し、自分の気持ちを安心して打ち明けられるようになります。
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4.3 セッションの進行
4.3.1 セッションの構成
- オープニング: セッションの目的を共有し、クライアントの気分や状況を確認する。
- メイン: ACTの各コアプロセスを適用し、クライアントの課題に取り組む。
- クローズ: セッションを振り返り、次回のセッションに向けて目標を設定する。
4.3.2 効果的な質問技法とフィードバック
- オープンエンド質問: クライアントが自由に話せるような質問をする。
- リフレーミング質問: クライアントの思考パターンを転換させるような質問をする。
- 具体化質問: クライアントの経験や感情をより詳しく理解するための質問をする。
- フィードバック: クライアントの進捗状況を客観的に評価し、具体的なフィードバックを提供する。
4.4 ACT技法の応用
4.4.1 各コアプロセスの実践的応用
- 受容: クライアントが抱える感情や思考を受け入れるように促す。
- 認知的解離: 感情や思考から距離を置くことを学ぶ。
- マインドフルネス: 現在の瞬間に意識を向け、非判断的に観察する。
- 自己としてのコンタクト: 自分自身について深く理解することを促進する。
- 価値の明確化: クライアントの価値観を明確にする。
- コミットメント: クライアントが価値観に基づいた行動にコミットすることをサポートする。
4.4.2 クライアントの進捗を評価し、フィードバックを提供する方法
- 質問票: セッションの前後に質問票を使用し、クライアントの感情や行動の変化を評価する。
- 行動記録: クライアントに日々の行動を記録してもらい、進捗状況を把握する。
- フィードバックセッション: 定期的にフィードバックセッションを実施し、クライアントの進捗状況を共有し、今後の目標を検討する。
この章では、具体的なカウンセリング技術を学び、愛着スタイルを持つクライアントの心の安定を築くための実践的なスキルを習得することができます。
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